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007アレルギーの種類 アーカイブ

2005年10月07日

目のアレルギー(アレルギー結膜炎)

眼のアレルギー


眼球のほか、「まぶた」や眼球の周囲の組織のどこにでもアレルギー性の病気が起こることがあります。このような目のアレルギー性の病気のなかで、もっとも多いのはアレルギー性結膜炎です。

アレルギー性結膜炎とは、目の結膜に付着したスギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉、ダニ・ハウスダストなどによって引き起こされるアレルギー性疾患で目のかゆみ・充血・メヤニ・流涙、目がゴロゴロなどを引き起こします。

引き起こす原因となる物質は、アレルギー性鼻炎と殆ど同様で、一年を通して起こる通年性(ダニ、ハウスダストなどによる)、ある季節にだけ起こす季節性(花粉などによる)があります。通常の結膜炎は目とまぶたの裏側をおおっている結膜が、強い感染力のある細菌、ウイルスのために炎症を起こしたものが結膜炎です。目が真っ赤に充血して、目やにがたくさん出ます。目やにがびっしりとこびりついて目を開けられなかったりします。

皮膚アレルギー(アレルギー性皮膚炎)

皮膚アレルギー

アレルギーが多くの現代病の原因になることは、いまのところそれほど認められていません。からだが正常な状態からアレルゲンを締め出そうとするか、避けて活動しようとするにつれて、ほとんどのアレルゲンがうっ血症状を作り出します。そのためアレルゲンが体内に侵入すると、余分な粘液がまわりに防御壁を作り出して、それらが鼻腔のうっ血・鼻づまり・頭痛・涙目・などに結びつきます。

また、身体が皮膚を通して、余分なうっ血を除去しようとすれば、発疹や、発熱性の疱疹・膿瘍が発症して、喉の痛みがひどくなります。皮膚は体の最大の排出器官で、体内で起きている事の指標となっています。そのため皮疹には対応しなければいけません。もっとも一般的な皮膚アレルギーには「接触性皮膚炎」と「発疹」と「ジンマシン」と三種類の症状があります。


「接触性皮膚炎」

一般に「かぶれ」と言われているもので、単なる外面的な症状です。通常はアレルゲンとの直接的な接触から引き起こされます。症状は局所的にあらわれ、原因となる物質にじかに触れた部分に起こる。 この皮膚アレルギーは原因となるアレルゲンとの接触さえ避ければ容易に回避できます。

「発疹」
皮膚の炎症、硬化・疱疹のような症状を特徴とした皮膚の炎症のことで、これは慢性の皮膚病として認められ、たいていは食物アレルギーの人や、栄養不足気味のひとに起こることが多い。外見の見栄えはよくありませんが、感染の危険性はありません。

「ジンマシン」
寒冷や気候や・直射日光・薬物療法・隠れた食物アレルギー・慢性のカンジタ病(免疫機能不全・抗生物質・坑炎症薬・免疫抑制剤・などが原因となる酵母菌の感染症)でも起こることがあります。

通常の皮膚アレルギーの三種類の中で、ジンマシンはいちばん深刻な症状で、たとえば口中や喉のジンマシンは呼吸を阻害してしまい、命に関わる症状を引き起こす場合もあります。

鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)

鼻アレルギー


【 症状 】

発作性の繰り返すくしゃみ・鼻水・鼻づまり・などでアレルゲンがはっきりしている場合をアレルギー性鼻炎と呼び、アレルゲンがはっきりしない場合を血管運動性鼻炎と呼んでいます。全てを総合して鼻過敏症ということもあります。


【 要因 】
・特異的直接要因の場合、アレルゲンによって引き起こされる鼻粘膜のアレルギー反応です。アレルゲンには呼吸時に吸引してしまうものと、食べ物や薬のように血液を介して侵入してくる血行性のものと二分できます。

一般にアレルギー性鼻炎は、ほとんどが吸引性のものと推測されます。アレルゲンの侵入に伴い、鼻の粘膜の表面に分布する抗体と結合してアレルギー反応を引き起こし、ヒスタミン・ロイコトリエンというような多くの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出されます。

・非特異的直接要因の場合は、機械的刺激によっておこる化学物質の蒸気・チリ・ほこり・などの外因性吸入性因子、・気温・天候・湿度などの気象的因子・栄養障害・内分泌異常・感染・疲労・などの身体的因子、そのほか喫煙・職業・飲酒・精神的ストレスなどの緒因子が主として考えられます。また、個人の遺伝的要素や素質などにも影響を受けます。

【 ハウスダストやダニとの関係 】
鼻アレルギーの主なアレルゲンにはハウスダスト、とくにダニがあります。ダニは高温多湿を好み日本では春から夏にかけて繁殖します。その他の時期ではダニの数は減少しますが、ダニの排泄物や死骸は残っている可能性が高く、最近では、一年中暖かく密閉度の高い家なども見られ、ダニの良い住処に一役買っている現状があります。

家の中のダニはジュータン・畳・フローリングの順で多く、そう考えると床をフローリングに変えることでダニの予防になります。また、フローリングに変えることが出来ない場合でも、頻繁に掃除をする事でダニの量を減らすことができるでしょう。


【 アレルギー性鼻炎のテスト 】
アレルギーの検査では、その症状がアレルギー性の反応によって引き起こされているものか、または実際にアレルギー反応を起こしている原因抗原の検査と二種類に分かれます。前者は血液・鼻水の中の好酸球の検査、血清IgEの測定があり、後者には皮膚テスト、誘発テスト、血清特異的IgE抗体の測定があります。

【 アレルギー性鼻炎が増えている現状 】
日本ではアレルギー性鼻炎は増加の一途をたどっています。また、世界的にみても増加傾向になっています。アレルギー性鼻炎が増加している原因は明らかではありませんが、密閉性の高い住居などの生活環境が変化したこと、大気汚染・栄養のかたより・ストレス・そのほか多くの因子がアレルギー性鼻炎の増加に関わっていると考えられます。スギ花粉については、戦後、全国に大量の植樹されたスギが成長し、花粉を大量に飛ばすようになったのが原因と考えられています。

【 花粉症
ダニやホコリなどのハウスダスト・カビ・花粉といった吸引性アレルゲンによって引き起こされ、中でも花粉が原因となって起こるさまざまな症状を「花粉症」と呼んでいます。花粉症の原因となっているものは、ヒノキ・スギ・ヨモギ・ブタクサ・などの花粉で、季節によってアレルゲンは変化してきます。花粉症はアレルギー体質で鼻の粘膜が過敏な人が花粉と接触することで起こります。症状としては、鼻や喉・眼などに現れます。鼻の場合はくしゃみ・鼻水・鼻づまりや突然くしゃみが発作のように出たり、鼻水が止まらなくなり嗅覚が鈍ったりします。目の場合は、目がかゆい・充血・ゴロゴロ・涙がでる・頭痛がしてくるなどの症状があります。発症の経過は生後から数年かけて花粉に対する抗体が作られ、10歳くらいから発症すると考えられています。

また、一度花粉症を発症してしまうと、それ以降は毎年花粉の季節になると発症してしまいます。鼻腔から入った花粉が粘膜に付着すると、花粉は粘膜で水分でふくらみ、やがて破裂します。そして、アレルゲンとなる花粉の胞子が粘膜の中に侵入し、IgE抗体と結合してアレルギー反応を起こすのです。花粉症の場合、花粉が目の粘膜に付着することも多く、花粉を洗い流すために涙の分泌が亢進したり、化学伝達物質によって、結膜が炎症を起こして結膜炎になることもあります。

花粉症を発症する人は必ずしもアレルギー体質の人が発症するわけではなく、食事や環境・ストレス・体調・などのさまざまな要因が関係していると考えられています。また、単に花粉の量や大気汚染だけではなく、先進国の生活環境や食生活などの生活スタイルにも大きな要因があることも考えられると思います。

【 スギ花粉
花粉症の原因となる花粉はほとんどが風に乗って運ばれてきます。スギ花粉は数10Km離れたところまで運ばれると言われています。一般に前年の夏の気温が高く、日照時間が長く、雨量が少なければ、翌年には大量の花粉が飛散するとされています。花粉の飛散時期は、地域などの要因によって異なりますが、一般に暖冬の年は早く飛び始めます。

花粉の飛散時に外出するときはマスクやメガネの着用での予防が必要とされています。その場合は花粉を通さない、息が苦しくない・顔面によくフィットする・隙間からの花粉をカットする・タイプのマスクがよいでしょう。


気管支ぜんそく(アレルギー性肉芽腫性血管炎)

気管支ぜんそく

この病気は昔から知られているアレルギー疾患の一つで、かつてはアトピー性皮膚炎同様に、中高生くらいになれば自然と治癒してしまうことが多かったのですが、最近では幼児期から継続し、大人になってから突然発症する例も増えてきています。ぜんそくとは「喘鳴を伴う発作性の呼吸困難」を起こす病気のことを言い、この喘鳴とはゼーゼー・ヒューヒュー・という気管支から生じる音で、細くなった気管支を空気が通るときに音が生じます。ぜんそくが強いときには、聴診器を使わなくても聴こえるほどです。

坂道や階段の上り下りなどの労作時に呼吸困難が生じる心臓性ぜんそくや肺気腫などとは違い、気道が狭くなっているために呼吸困難が生じるもので、労作によらないことが特徴とされています。以前までは気管支ぜんそくは、気管支の収縮によって気道が狭くなると考えられていましたが、現在ではそれに気道の炎症が加わると考えられるようになりました。そのため、ぜんそくは今、気道の慢性炎症性疾患として考えられています。また、喘息があってもその全てがぜんそくと言う事ではなく、慢性気管支炎・肺気腫・肺門部のリンパ節腫瘍・気管支の異物や心不全なども同様な症状を起こすこともあるので注意が必要です。


症状

ぜんそくの症状としましては、喘息と呼吸困難が主な症状でぜんそくはゼーゼー・ヒューヒュー・という音であり、呼吸困難は息を吐くときのほうが苦しくなります。呼吸困難が強くなると、横になることができず、座って前かがみの姿勢をとり、起座呼吸となります。こちらの呼吸困難発作はつかえていたタンが出て空気が自由に気道を出入りできるようになれば改善されます。

【 咳と痰(たん)
痰を伴わず「空せき」が主な人もいますが、発作の終わり頃に、咳とともに痰が出て楽になるという人も大勢います。痰は通常は薄く、透明でなかなか吐き出せず喉に絡まる感じが強いものです。細菌感染していると、黄緑色の膿のような痰となります。

【 発熱・チアノーゼ
ぜんそく発作だけでは通常、発熱はしません。 発熱をした時は、感冒や気管支炎などの呼吸器感染症を併発している可能性があります。チアノーゼ(唇や指の爪が紫色になる)が出るようでは重篤な発作の兆候なので注意が必要です。

【 ぜんそくのしくみ 】
ぜんそくはアトピー型・非アトピー型に分類されています。


アトピー型ぜんそく
遺伝性の作用が強く働く病気で、アレルギー性ぜんそくとも呼ばれています。本人の既住や家族歴にアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患が見られることが多く、皮膚反応や血液検査などで室内塵や花粉などの抗原に陽性を示すタイプの人をいいます。 非アトピー型ぜんそくは、気道感染によって発作が誘発されることが多く、発熱・膿性痰・咽頭部や扁桃の炎症などが見られることが多く皮膚反応では陰性で、多くは中年以降に発症します。日本ではアトピー型70%・非アトピー型30%位の比率と考えられています。アトピー型ぜんそくの発作の仕組みは、肥満細胞の表面でIgE抗体とアレルゲンは反応し、肥満細胞からヒスタミン・ロイコトリエン・などの化学伝達物質が放出されます。

この化学伝達物質は気管支の平滑筋を収縮させてけいれんを起こし、粘膜の浮腫み、気管支狭窄を起こします。また、分泌を亢進させる恐れもあり、鼻水や気管支粘液・痰を増やしてしまうので、これも気管支を狭くする一因と考えられます。 前述が即時型反応と呼ばれるもので、これによって起こる症状はアレルゲンを吸入して15〜30分後にピークになり、一時間くらいでおさまります。これで症状がおさまれば軽い発作で済みますが、ぜんそく患者の約半数は数時間後に再び、遅発型反応による発作が起こると言われています。 遅発型反応は、好酸球によっておこる気道平滑筋収縮と気道粘膜炎症です。好酸球は肥満細胞から放出された好酸球遊走因子や血小板活性因子、ヘルパーT細胞が作るサイトカインであるインターロイキン5などによって気管支に集められます。

また、肥満細胞から放出されたのと同じロイコトリエンなどの化学伝達物質を出し、これらの作用で平滑筋を収縮させ、粘膜に炎症を起こすものです。この炎症によって粘膜に浮腫みが生じ、平滑筋の収縮によって狭くなった気管支をますます狭くするため、ぜんそくの症状が悪化することになり、1〜2日は継続します。ぜんそくの患者さんはもともと気管支が過敏になっているため、この刺激によって過敏性がさらに亢進されます。そのためにさらに外界からの刺激に敏感になり、次の発作が起こりやすくなり慢性化へとつながっていくことになります。


非アトピー型
非アトピー型ぜんそくを起こす誘因となるものは、気道感染のほか、冷気・大気汚染物質・ストレス・などが考えられます 通常、発作を起こす経路は副交感神経によるものや肥満細胞を介したもの、リンパ球への直接作用によるものなど、いくつかの説が考えられています。この中で、冷気や大気汚染物質、ストレスなどは、気道上皮にある知覚受容体の一種である刺激受容体を刺激し、副交感神経を介してアセチルコリンという物質を放出させて、さらに神経ペプジトをも放出させて、気道を収縮させたり気道過敏性を亢進させると考えられています。


【 小児ぜんそく 】
小児ぜんそくは思春期終了までのぜんそくと考えられています。その定義については成人と同じように気道の炎症という考え方が適応され、小児ぜんそくの90%は1〜4歳で発症すると言われていますが、20年前の学童における調査では、大人のそれと大差なく1%前後だったのが、最近の調査では6%と増加してきています。その原因として考えられていることは、

アルミサッシによって密閉性を増した室内に暖房器具が普及し、高温多湿の室内環境が生じてカビ・ダニ・の数が増加した。

逆に夏は冷房によって、ダニが生育しにくい30℃以上の室温がなくなった。また、寝具がベットに変更され家庭が増えると共に、天日乾燥の機会が少なくなったため、布団中のダニの数が増加してきた。

仮性アレルゲン(ぜんそく発作の原因となる化学物質)を含む香味野菜、特殊加工食品が増加したなどが考えられます。

昨今、衛生環境の改善と抗生物質の適切な使用のために、感染パターンが変わりつつあり、その主流が細菌感染に移ってきて、感染死が減少したことによる平均寿命は延びたが、アレルギー性疾患の発生には、好条件な環境になってしまったとの説もあります。

花粉症は本来花粉の発生地に多いはずですが、都会地のほうが花粉の影響を受けていると言う現状があります。都市化による諸現象が、アレルギー症の発生に大きな影響を与えているのは事実であります。 現在の社会において都市部のエネルギー消費は大気汚染とそれに伴う室内汚染を生んでいます。さらには人口密集型の社会構成によって、緊迫した競合的な社会での人間関係や心理的ストレスなどを溜めてしまいがちです。小児期のぜんそくでは、学校での人間関係や、親子関係などが発作の発生に影響を与えていると言われています。また、小児ぜんそくのもうひとつの特徴としましては男児に多いことです。では、小児ぜんそくはいつごろ治るかというと、統計によっては多少の誤差はあるものの、その過半数は思春期前後には治ってしまいます。

小児ぜんそくの病状としましては、基本的には大人の場合と同様で、気管支平滑筋の収縮、気管支粘膜の浮腫み、また、分泌過剰による気管支腔の閉塞です。その原因として気道の炎症が考えられています。このような状態を引き起こす原因はアレルギー反応が中心ではありますが、それ以外では、ウィルス感染・タバコの煙・車の排気ガス・工場からの排煙・など、さまざまな要因が考えられます。また、精神的な心因も深く関わっているのでしょう。

主なぜんそくの症状としましては、咳・ぜんそく・呼吸困難が現れます。咳は乳児では痰を伴うことが多く、年長児では「空咳」が多いとされています。


【 運動誘発性ぜんそく 】
小児ぜんそくのもう一つの原因として、運動が何らかの影響を及ぼしてしまうことがあります。例えば、ぜんそくの子供が発作の起きていないときに、サッカーやマラソンなどの激しい運動を行った場合、その途中や終了した後に、一時的にぜんそく・息切れ・呼吸困難といった症状が出ることがあります。これらを運動誘発性ぜんそくと呼びます。一般に重度のぜんそく児にみられ、学校などで運動したときに発作を起こすケースが多いため、運動や行事などが制限されたりするので、学校生活をどのようにしたらいいかという問題も出てきます。

また、ぜんそくが出やすい運動とそうでない運動があることも知られています。発作が起きやすい運動としましては、ランニングやマラソンなどで、逆に水泳やスキーなどではほとんど発作が起きません。そのため、ぜんそくの子供が鍛錬の一環として運動する場合は、水泳などのスポーツをするのがいいでしょう。このぜんそくの予防としては、運動前にウォーミングアップを十分行うことで、いきなり走ったり、泳いだりせず、入念な準備運動を行うことによって、かなり運動誘発性ぜんそくが軽くなることがわかっています。

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