食事療法によるアトピー・アレルギー療法


食事療法によるアトピー・アレルギー療法


食品と飲み物は体内で薬剤として作用し、思わぬ医薬品になりうることがあります。実際にこれまで食品中の自然な効力のいくつかが抽出され、治療目的で濃縮されて使われてきています。その中で食品と飲み物の中には、からだの不調の原因となるものもあるので注意しながら行わなければなりません。アレルギーの原因となるアレルゲンには、じつにさまざまなものがありますが、なんといってもその種類と量では食べ物のほかにはないと思います。したがって、アレルゲンの予防や治療には食事療法が基本になります。

子供の場合は、乳児や離乳食にアレルゲンとなるものが含まれますので、そこから何がアレルゲンとなっているかを突き止めます。乳幼児は消化機能が十分に発達していないため、食物アレルギーを起こしやすいといわれていますが、2〜3歳くらいになるかと消化機能も発達してきますので、多少未消化で大きな成分のまま吸収されても、アレルギー反応を起こす前に腸の免疫系によって排除されてしまいます。そのため、乳幼児は消化機能と腸の免疫系が発達してからでないと、食物アレルギーの原因となるアレルゲンを特定することが難しいケースもあります。

子供の場合、もっともアレルゲンになりやすい食品は卵です。とくに、卵白がアレルギーを引き起こします。次に多いのが牛乳で、その次が大豆です。これらの食品を三大アレルゲンと言っています。大人の場合は、ジンマシンが出る人は、そのときどんなものを食べたか、ある程度わかっていると思います。サバなどの青魚や卵、乳製品といったアレルゲンがはっきりしていれば、その食品を除去すれば解決します。

アレルゲンと食品の関係
アレルギーの事を考えるほとんどの人は、まず食事からアレルゲンとなる食品を除去しますが、アレルギー症状を軽くするか治療するためには、食事に加えたほうがいい食品も多いことがわかっています。下記にていくつか有効な食品を紹介いたします。

水は、からだに必要な水分を保つ役割をします。少なくとも毎日、コップ一、二杯のきれいな水を飲み、からだを動かす日なら、もっとたくさん補給するようにしましょう。適切な水分を保たなければならない理由としましては、体内の水分の保有量が低くなると、ヒスタミンの生産量が増えたことによります。ヒスタミンのレベルが高くなると、アレルギー症状が亢進する。
大麦湯 病人用や、子供の下痢止めに使われる大麦湯は気管支の発作を緩和します。
コーヒー コーヒーは天然の気管支拡張剤として作用するので、ぜんそくの薬剤が手に入らないときに緊急用として使用することもできます。
グレープジュース グレープジュースは肺をきれいにし、咳を鎮める効果があります。
かんきつ類 かんきつ類の皮は、ビオフラボノイドの素晴らしい宝庫として有名です。かんきつ類の皮で、手作りの健康な軽食などを準備できるし、オレンジ・レモン・グレープフルーツの皮の細切りを柔らかくなるまで蜂蜜につけておけば、ビオフラボノイドを大量に摂取することが可能です。アレルギー症状を抑えるもう一種のフルーツは「パイナップル」で、パイナップルは粘液をサラサラにする働きをもちます。
とうがらし類 とうがらし類は鼻腔のうっ血を取り除く作用があります。新鮮な「アバネロ(小粒な激辛のトウガラシ)」はもっとも効果的ですが、さらに入手しやすいカイエンヌペッパーも有効で、こちらは料理に振りかけるときに使いやすいです。また、トウガラシの有効成分であるカプサイシンは、体内水分の排出を促進する働きがあります。
ホースラディシュ ホースラディシュも、うっ血を取り除く働きをします。
タマネギ タマネギはビオフラボノイド・ケルセチンを大量に含む食品です。この物質は、肥満細胞と好塩基性白血球を安定させる効果を持つうえに、抗炎症性という効能を持っています。生のタマネギはタンをとる働きがあるので、ぜんそくの発作が起きたときに常備薬がなければ、その場しのぎに使うこともできます。また、スライスした生のタマネギを舌の下に入れると、天然の気管支拡張剤になりえます。
ヨーグルト ヨーグルトは体組織に好ましくないバクテリアを導入する働きがあります。乳製品の過敏症がある人は、1グラムあたり数百万のバクテリアを含む乳酸菌のカプセルをとることである。
蜂蜜 未加工の蜂蜜には、大量の花粉が含まれるので、さまざまなタイプの花粉に対する過敏症を抑制します。例えば、特有のアレルギーを抑えようと思えば、地元の養蜜家より生の蜂蜜を買うことをお薦めします。コップ一杯の水に、スプーンに一杯ずつのりんご酢と蜂蜜を入れて飲めば、花粉症などにも効果があるでしょう。

避けたい食品
粘液を形成する食品は、アレルギーに対する過敏症を高めてしまいます。そのため呼吸器系の粘液が多ければ、アレルゲンがそこに補足されるので、体組織は長く刺激を受け続けて、症状はより重くなります。粘液を形成するのは、おもに乳製品と小麦粉です。
ほとんどの動物性脂肪に代表されるアラキドン酸の高い食品は、ロイコトリエンの流出を引き起こします。ロイコトリエンとは、アレルギー反応の続く間、放出される物質で、ヒスタミンの1000倍の働きをする。エビ・カニ類や赤みの肉には、アラキドン酸の含有量が高いとされています。アレルギーの季節が始まる二ヶ月前から、粘液を形成する食品と、アラキドン酸の高い食品を減らすと良いでしょう。また、アレルギーの期間中は、それらの食品を完全に避ける必要があります。

カビに対する過敏症があれば、菌類と酵母菌を含む食品を避けなければなりません。これらの食品は、アレルギー反応のきっかけになってしまいます。現実に冷蔵庫の中のものが腐ったと思っても、その臭いを嗅いではいけません。かびの胞子を吸い込めば、アレルギーが起こる可能性があるからです。さらに、ビール・チーズ・ドライフルーツ・フルーツジュース・マッシュルーム・ピクルス・しょうゆ・砂糖・トマト製品・豆腐・酢などを避けるようにしましょう。また、イネ科のアレルギーがあれば、サトウキビにもアレルギーがあるかもしれません。

砂糖を使う必要があるときは、ビートかフルーツから摂取した糖分を使うようにしましょう。さらに、ブタクサにアレルギーがあれば、メロンを食べないように注意しましょう。